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11月6日(土)いよいよ開幕!東京バレエ団『かぐや姫』公開リハーサル行われる

  • ask751
  • 2021年10月29日
  • 読了時間: 3分


 世界初演となる『かぐや姫』の公開リハーサルが、同バレエ団のスタジオにて10月27日に行われた。

 女性の群舞からはじまる「緑の海」のシーンでは、静から動へと少しずつ動き出すアームスや複雑に絡み合う雄弁な舞に、これからはじまる物語に期待感を膨らむ。

「海」から「竹の精」に姿を変えた群舞は、風に揺れる優美な姿を見せ、ドビッシーの音楽と金森の描く世界観に惹き込まれた。


リハーサル後のインタビューで金森は、「絶対的に群舞のポアントを試してみたかった。

竹の表現にポアントでスッと立つ姿が重なる」と語っていたが、まさしく意図通り。





 その後の、かぐや姫役の足立真里亜と、道児役の秋元康臣らのシーンでは、しっとりとした情景から動へと移行するダイナミックなリフトの連続に息を呑む。少しでもタイミングを外したらケガに繋がってしまうような高度なテクニックの数々。


 この後の取材で、これがはじめての通しと聞き、再度驚かされる。

「自分でもびっくりするぐらい、ふたりが役を生きてくれていて嬉しかった」と金森の表情は明るく、かなりの手応えを感じている様子。


 主演キャストの迫力もさることながら、振付・演出助手の井関佐和子の存在も光っていた。ノートを片手に金森に「このシーンも…」と伝えると、「あぁ、そうだね」と、ふたりのコラボも息ぴったりで、テンポ良くリハーサルが進んでいく。


 今回の公開リハーサルは足立・秋元ペアだが、初日は秋山瑛と柄本弾が主演する。

「物語バレエの醍醐味は、キャストによって捉え方が違うので、ぜひ両日観ていただきたいですね」







 約1ヶ月間に渡った創作過程について金森は、

「本来は、情感や質なども考えなくてはいけないんですが、とにかく振付を進めないといけないという焦燥感もあって、『今はとにかくラフの段階だから』と言えるほど客観的に作品を見れる余裕がなかったですね。

 限られた時間の中で、感じていることをどう作品に落とし込めるか、何をどう振付したいのかを問い続けたい思いがある中、技術面にフォーカスしてしまっている時期がありました。

 私はネガティブ思考なので、作品が暗いとよく言われるんですけど(笑)、それは悲しみの中に美しさを感じるからだと思います。でもコロナ禍の現在において、悲しみが世界中に蔓延している中、希望や愛を無理なく届けたいと思えるようになりました」


本作の翁の人物像についても興味深い考察を語る。

同バレエ団・団長の飯田宗孝の特別出演となるが、「欲深いキャラクターとしての側面も描いていますが、翁の闇の部分も表現したいと思います。かぐや姫の運命を司る謎の存在としても、今後注目してほしい」





 今回は第1幕のみの上演となり、春・夏のシーンが上演される。

第2幕は秋、第3幕は冬という構想があり、3幕までの楽曲もすでに決定しているという。

「早く全幕を見せたい」と、生き生きとした表情で語る金森に期待せずにいられない。


 同時上演の、モーリス・ベジャール振付の「中国の不思議な役人」(東京公演のみ)と、

イリ・キリアン振付の「ドリーム・タイム」は、金森と関わりの深い巨匠振付家であり、

贅沢なプログラム構成に公開が待ち遠しい。



東京バレエ団 新作「かぐや姫」第1幕

2021年11月6日(土)、7日(日)東京文化会館大ホール

2021年11月20日(土)りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館


 
 
 

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