東京バレエ団x金森穣 新作『かぐや姫』の公演開催決定!
- ask751
- 2021年3月9日
- 読了時間: 3分

「東京バレエ団x金森穣 新作『かぐや姫』」の会見が2021年3月8日に開催された。
この新作を含むミックスプログラムが、11月6日(土)と 7(日)に東京文化会館にて上演されることが決定。

同バレエ団芸術監督の斎藤友佳理が、まず本公演の企画意図について語った。
「じつは、このコロナ禍の状況になるずっと前から、長い時間をかけてあたためてきた企画です。やっとその夢がかなって、今日はリハーサル第一日目を終えたところです。
今日そのリハーサルを見て、穣さんと共通の言語を持っていることが分かり、ホッとしています。新作を創るのは信頼関係しかないと思っているので安心しました。
リハーサルでは、ダンサーたちとすぐ打ち解けた雰囲気を感じました。ダンサーが汗だくになって必死についていっている姿を見て誇らしい気持ちになりました」
その第一弾が2019年10月に上演された勅使川原三郎・振付の「雲のなごり」であった。
「日本人の才能豊かな振付家にお願いしたい。優秀な振付家を育ってほしいという思いから東京バレエ団のダンサーたちが5年前から振付するプロジェクトも行っています」
また、東京バレエ団が毎年海外公演を開催しているなかで、「なぜ日本の作品がないのか」という海外からの質問を受けたこともあったという。そのときの経験が『かぐや姫』の題材に繋がっているのだろう。
本作の演出・振付を担う金森は、日本初の公共劇場専属舞踊団として2004年にりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館・舞踊部門芸術監督として就任し、カンパニーNoismの芸術監督としてもメンバーを率いている。

東京バレエ団に抱いていた印象を聞かれると、
「もちろん私は17歳でルードラ(ベジャール・ローザンヌ)に行く前から東京バレエ団のことは知っていました。18歳のとき東京文化会館で上演されたベジャール作品を観ています。
ベジャールのもとで学んでいる身として東京バレエ団は身近な存在と意識していました。
それが今回17年ぶりに、Noism以外のカンパニーに振り付けることになり、それが東京
バレエ団という、とても深いつながりを感じています」
全曲クロード・ドビュッシーの音楽を選んだ理由について、
「色々な音楽を聴きましたが、ドビュッシーの音楽はビジュアルな感じさせる音楽が多いですし、『月の光』の楽曲にあるように、光をメタファーにした作品が多い。『かぐや姫』のシーンに当てはまると思いました」
本日のオーディションの裏話を斎藤監督が披露。
「穣さんは、『自分に必要なタイプのダンサーはすぐ分かる』とおっしゃっていたのですが、本当に、70人のダンサーの配役がほぼ1日で決まったんです!階級などすべて関係なく、穣さんに見て決めていただきました。入団したばかりの今日から来たダンサーもしっかり配役されていましたね」
驚くことに、その場で音楽をかけながら振付をしたという金森。
「頭の中ではもちろんは妄想していましたが(笑)、自分にとっても新しいエッセンスとして、そして舞踊家として、作品が生まれる瞬間に立ち会って動くのはダンサーにとっても大事だと思う。
配役のイメージと基準は、身体の使い方、踊ったときの美しさ、舞踊家としての身体レベルもありますがキャラクターの部分も大事にしましたが、ちゃんと(全員)あてはまりましたね」
じつは、台本も金森が担うという。
「童話から書物までぜんぶ調べた上で、私がオリジナルを書きました。歴史の中で残る作品を創りたいと思います。クラシカルなものをぶち壊して、新規性を狙ってということには、まったく興味がありません。
私にとって初のチャレンジになりますが、現代的なエッセンスを含みつつ、バレエに対する最大限のリスペクトをもって創りたい。私の今までの作品の中で一番“バレエ”になるかもしれません」
東京バレエ団x金森穣 新作『かぐや姫』
2021年11月6日(土)、7(日)東京文化会館
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